2017年2月24日金曜日

固着してからも移動できます。

昨日は久々に大槌で潜って調査してきました。
休む間もなく、得られた大量のサンプルのソーティング・撮影・標本作製に突入し、
とても長い一日でした。

今回の調査はコケムシをメインとしたものではなかったのですが、
やっぱりコケムシがいると気になってしまいます。
アワビの稚貝の殻を覆うサンゴコケムシの群体。
生きている貝に付着するコケムシは一部の種に限られているようなのですが、
なぜそれらの種だけが付着しているのか…最近ちょっと気になっています。

2017年2月10日金曜日

大槌湾の生き物の多様性を調べ、その証を後世に遺す

お世話になっているプロジェクトが発行している広報誌『メーユ通信』で、
これまでに行ってきた研究内容の紹介を掲載していただきました。


これまで私が何を目指して、どんな調査を行ってきたのか…
伝えたいことは山ほどあったのですが、
なかなか限られた紙面でそれらを紹介するのは難しかったです。
大槌というフィールドに限定しても、多種多様な調査を行っているので…。

養殖漁業の復興に役立てられる、数年単位の成果を目指したものもあれば、
将来の漁業者の育成や沿岸地域の教育へとつなげる、数十年単位の成果を目指したもの。
さらに、いたってシンプルに生物学的な興味に基づく研究もあります。

そんな中で何を伝えるのが効果的かな~と考えた結果が、これでした。


「大槌湾の生き物の多様性を調べ、その証を後世に遺す」

もちろん実際には、ただ多様性を調べているわけではなくて、
そこから漁業現場や教育現場に還元できることも想定されているわけですけど。

どの研究も、海洋環境と生物相の変動を長期的に調べることに変わりはありません。
そのために調べていることは、今の大槌湾の生物多様性です。
そして、すべては標本を残すことで、数十年・数百年後までその証を遺すことになるわけです。

最初はこの内容で本当に大丈夫か!?と不安になったりもしましたが、
このプロジェクトの広報誌だからこそ、ここで書くことに意義があるだろうと思いました。

さてさて、果たして…