2015年6月24日水曜日

水深100 mの世界

先日はお隣の船越湾沖でROVを潜らせてきました。
初めて水深100 mまで潜らせてみたのですが、さすがに暗かったです。

でも・・・


こんな素敵な動物たちが出迎えてくれました!
美しいウミエラです(´▽`
軸にはなにやら小っこいエビのようなものがしがみついています・・・!

気のせいか、水深60 mよりも動物たちが賑やかだったように感じました。

流れが速くてなかなか思うように操作できなかったのですが、
浅場では見かけることのない動物たちの姿に癒されました。
これは今後もROV調査が楽しみです・・・!

2015年6月23日火曜日

めかじゃ

船越湾で調査をしてきた研究者仲間から、サンプルを分けてもらいました。
シャミセンガイの仲間です。
ちょっと気になる形態なので、解剖して閉殻筋痕の配置を観察してみようと思います。

シャミセンガイといえば、有明海などではメカジャ(女冠者)と呼んで食べているらしいです。
コケムシは食べるところがあまりなくて寂しいですが、これは大きくて美味しそうですね。
コケムシは何度か食べてみたことがあるので、今度はめかじゃを食べてみよう( ̄▽ ̄)

そういえば、ホウキムシはなんで食べないのでしょう・・・
殻もなくて、もっと肉質なのに・・・(-,-;

2015年6月20日土曜日

大槌で30年ぶりに見つかったコケムシ

先週末、日本動物分類学会第51回大会で、
3月のROV調査で採集されたコケムシについて発表してきました。

じつは、詳細な観察を進めた結果、
本種は1983年に大槌湾赤浜の防波堤付近で採集された記録のある
サガミユビヤワコケムシ Alcyonidium sagamianum Mawatari, 1953
であることが判明しました。

フランス語で書かれていますが、地点情報にちゃんとOtsuchiの文字が…!
(from d'Hondt & Mawatari, 1986)

赤浜の防波堤付近ということは、
まさに今回ROV調査を行った蓬莱島とほとんど同じ場所です。
つまり、30年以上前にも本種はここに生息していたということになります。

震災のとき、彼らはどうなっていたのでしょうか・・・
津波で流されたけど再び戻ってきたのか、はたまた津波では流されずに生き残ったのか。
いずれにしても、コケムシたちは昔と変わらずここで健気に生きているんですね~。

2015年6月19日金曜日

コケムシと水産業・・・

今月は、会議やら学会やらROV調査やら付着板調査やら・・・と盛り沢山です。
(そして来週はいよいよ潜水調査です!)

今月最初のイベントは、『東北マリンサイエンス拠点形成事業』の全体会議@仙台でした。
なぜか土曜日の夜だけ、どこのホテルも価格が跳ね上がるという状況の中、
最終的に同じ金額になるなら、毎晩のクオリティを少しずつ上げた方が幸せになれるだろうと考え、
いつもより少し良いホテルに宿泊しました。

ポスター発表は2日目だったので、初日はポスターをホテルの部屋に置いていったのですが・・・
今回、布で印刷したので、シワになるから折りたたみたくなかったんです。。
あと、少しでもシワを伸ばしたかったんです。。。
決してコケムシの布教のためでは・・・
(まぁ、これでコケムシが話題になって記憶に残ってくれれば、それはそれでうれし・・・モゴモゴ・・・)

ポスター発表では、松島湾のコケムシ調査の中間報告も行ってきました。
東北の水産業では垂下養殖がかなり重要な役割を占めているのですが、
濾過食性の付着生物に関する研究を行っている人は意外と少ないんですね・・・。

松島湾でよくみられるコケムシたち

コケムシの基礎研究を通して、東北の水産業の復興にどのような貢献ができるのか?
ある意味、無謀ともいえる挑戦でしたが、当初考えていたよりも筋の通った研究になりそうです。
だいぶ方向性も定まってきたので、これからじっくりまとめていきたいと思います。