2015年6月20日土曜日

大槌で30年ぶりに見つかったコケムシ

先週末、日本動物分類学会第51回大会で、
3月のROV調査で採集されたコケムシについて発表してきました。

じつは、詳細な観察を進めた結果、
本種は1983年に大槌湾赤浜の防波堤付近で採集された記録のある
サガミユビヤワコケムシ Alcyonidium sagamianum Mawatari, 1953
であることが判明しました。

フランス語で書かれていますが、地点情報にちゃんとOtsuchiの文字が…!
(from d'Hondt & Mawatari, 1986)

赤浜の防波堤付近ということは、
まさに今回ROV調査を行った蓬莱島とほとんど同じ場所です。
つまり、30年以上前にも本種はここに生息していたということになります。

震災のとき、彼らはどうなっていたのでしょうか・・・
津波で流されたけど再び戻ってきたのか、はたまた津波では流されずに生き残ったのか。
いずれにしても、コケムシたちは昔と変わらずここで健気に生きているんですね~。