稚児毛虫(ちご・けむし)・・・ではありません。
血苔虫(ち・ごけむし)です。
静脈血のような暗赤色の群体からこの名が付いています。
今日はそんなチゴケムシの稚児(幼生さん)のお話。
チゴケムシの群体
先日の海洋実習で,ホタテガイにこのコケムシが多数付着していました。
そんな群体を割ってみると,個虫の縦断面が簡単に観察できます。
触手冠が入っている個虫のほかに,丸いものが詰まっている個虫もあります。
じつはこれ,発生途中の幼生なんです。
出てくる幼生は鮮血のような鮮やかな赤色
よく見ると,幼生入りの個虫は触手冠を含むポリプ体が退化しているのがわかります。
チゴケムシは卵室をつくらない代わりに,こうして虫室の中で幼生を保育します。
これらの群体を水槽に入れておいたところ・・・
多数の幼生が泳ぎ出ていました!
赤い点々はすべてチゴケムシの幼生です。
この後,水槽内のあらゆるところに付着して,水槽が赤い点で埋め尽くされました・・・