昨日、今年の 『初せむ』 をしました。
初せむ
初セム
初SEM
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SEM=Scanning Electron Microscope=走査型電子顕微鏡
そうです!
昨日は、今年最初のコケムシの電子顕微鏡観察を行いました。
通常、コケムシの観察には実体顕微鏡を用います。
これで、肉眼では網目模様にしか見えなかったコケムシ標本の80%くらいは属までわかります。
ちなみに、経験を積むと、肉眼でも属までわかるようになります。
なぜか見えるんですよ・・・棘や孔の形といった分類形質が・・・
ただし、実体顕微鏡 や “心の眼” をもってしても、種まで分類することはなかなか困難です。
そこで、最近は走査型電子顕微鏡(略してSEM)を用いて微細構造を観察します。
今回使ったSEMは、卓上の簡易版です。
電圧などの関係で解像度に限界があり、あまり高倍率での観察はできませんが、
コケムシの観察にはこれで十分です。
むしろ、観察試料を入れる部屋が小さいので減圧時間も短く済むので、
大量のサンプルをとっかえひっかえ観察するには重宝します。
あとは試料台を回転させたり傾けることができたら完璧なのですが・・・
そんなわけで、観察したコケムシの画像がこちら↓
アミメコケムシの仲間で、起立性の群体をつくるちょっと変わった子です。
穴の奥でひっそり顔をのぞかせているのが触手冠です。
こちらはヤジリアミコケムシの仲間。
奇妙な孔のある丸っこいのは卵室といって、ここに卵を入れて幼生まで育てます。
じつは、この奇妙な模様がヤジリアミコケムシの特徴の一つとなっています。