2016年4月20日水曜日

国際コケムシ学会『IBA2016』報告-その3-

今回のIBAでは、円口目の分類を全世界レベルで整理し直そうという提案がされました。
円口目は現生の海産コケムシの中でも特に分類が混乱しており、
今後、その分類体系は大幅に変わる可能性があります。
まずは大西洋やオーストラリアなど、
調査が進んでいる海域の種について再検討を行うことになります。
いずれ、私も日本の情報や標本を提供し、参画する予定です。

様々な円口目の群体

それから、これまた世界中のコケムシ分類学者が協力して、
より多くの分類群を対象としたコケムシの分子系統解析を行うプロジェクトの提案もありました。
こちらについては私も最初からメンバーとして参画し、
日本でしか得られないような種類のサンプルの解析準備を進めていきます。

あと、ツノコケムシ科の系統分類から生態や発生に関する
全世界レベルでのプロジェクトの立ち上げもあり、
やはりこちらも立ち上げメンバーとして参加しています。

ツノコケムシの仲間の枝

ちなみに、日本のツノコケムシ科についてはすでにrevisionを書いてacceptもされているので、
近々論文が公表される予定です。
これらのうち数種については骨格の組成分析や同位体比分析なども行いました。
こちらについても現在論文を投稿中です。