2016年7月23日土曜日

2016年度第一回大槌ドレッジ&ROV調査【その3:生き物たち】

ソーティングで仕分けられた生き物たちは、その後は麻酔などを経て標本になるわけですが、
固定する前に、なるべく生きた姿の写真を撮影して残すようにしています。
色彩や柔らかい形質など、標本では判別が難しい情報を残すためですが、
その他にも、図鑑作成やアウトリーチ活動にも活用しています。

今回は、2014年の調査では実施できなかった地点でもドレッジを曳きました。
そのおかげか、2014年の調査では得られなかった生き物も多数得られました。
今日はそんな動物たちをいくつかご紹介します。

こちらはオオハネガイ。
震災前にも採れたことはありますが、震災後に得られたのはこれが初です。
殻に成長線があるのでそれを数えてみたところ、少なくとも5才以上のようです。

こちらは二枚貝に似ていますが、これはじつはホウズキチョウチンの仲間(腕足動物)です。
大量に採れて、バットの中が芋洗い状態です。

こちらはサンゴではなく、コケムシです。
コブコケムシの仲間です。
 これを粉々にせずに上手く採集する方法を模索中・・・

こちらもコケムシの仲間です。
淡い桜色が非常に美しい群体です。

こちらはウミエラの仲間(刺胞動物)です。
なんだか、しょぼくれた格好をしていますが、海底では立派な御姿なんです…
その様子は、明日ご紹介しますね。

こちらもウミエラの仲間です。
上の種と同じくヤナギウミエラ科の一種だとは思うのですが、
おそらく属が異なります。

こちらはヤギの仲間
ウミエラ同様、サンゴの仲間(刺胞動物)です。

 ヤギはこの他にも数種類得られました。

そんなヤギの枝をよーく見てみると…
何かが絡み付いています!
これ、じつはテヅルモヅルの仲間なんです。
テヅルモヅルはクモヒトデ綱に属すのですが、
この子のように腕が分岐しない種もいるんですね~。

こちらのもじゃもじゃは、腕が分岐するタイプのテヅルモヅルの仲間です。

一昨日紹介した、ドレッジの入り口にひっかかって上がってきた大きなもじゃもじゃも、
じつはテヅルモヅルの仲間です。
あちらはもっと細かく腕が分岐していて、なんだか絡まってしまいそうでした・・・。
あそこまで大きいと、標本にするのも一苦労ですが、
こちらの標本は手ごろなサイズだったので、撮影もしやすかったです。