2016年7月26日火曜日

2016年度第一回大槌ドレッジ&ROV調査【その6:震災前後】

じつは今回の調査地点の中には、震災前にドレッジ調査を行ったのと全く同じ場所もあります。
震災からすでに5年が経過していますが、生き物に変化はあったのでしょうか?
今回のドレッジ&ROV調査で明らかになった情報の一部をご紹介します。

まずはドレッジで得られた生き物を震災前後で比較してみましょう。

2009年の調査で得られたサンプル

2016年の調査で得られたサンプル

どちらも小石交じりの底質で、非常によく似ています。
生き物も、同種と思われるヤギやカイメン、大型のクモヒトデの仲間が採れています。

つづいて、ROVの映像に映っている生き物を確認してみましょう。
 ドレッジでも得られていましたが、ここに映っているオオハネガイは、
5年以上は生きていると思われます。
つまり、震災前からこの場所で暮らしていたということになります。

このサイズのコブコケムシの仲間も、
少なくとも5年以上は生きています。
やはり、震災前からこの場所でクモヒトデにからまれたりしていたのでしょう…

このツノコケムシも、枝の長さや群体の大きさから考えて、
5年以上は生きていると思われます。
今回、私が採集のために破壊してしまいましたが…
どうやら震災の影響は、少なくともこれらの生物にとっては、
さほど大きなダメージにはならなかったのかもしれません。