2015年3月22日日曜日

コケムシとフラクタル

沖縄での調査といえば、滞在中に市場でロマネスコを購入しました。

フラクタルの例として紹介されることが多いロマネスコ。
う~ん・・・
このボコボコ感、イタコブコケムシの群体表面に少し似ているような・・・
似ていないような・・・
ちなみに、イタコブコケムシはこんな感じ。
あれ・・・?
冷静になって見返すと、ぜんぜん似てない気がしてきました・・・(=_=;

まぁ、似てるか否かはこの際おいといて・・・(^^;
イタコブコケムシのコブ(写真の白い部分)の一つ一つは、
個虫が集まってつくった「チムニー」と呼ばれる構造です。
イタコブコケムシような被覆性のコケムシは、
そのままでは排泄物が自分の上に降り積もってしまいます。
そこで、一定の範囲に存在する複数の個虫が肛門を一方向に揃えたり、
触手の長さを変化させることで、
共同排泄口のような場所をつくっています。

排泄物やゴミはそこに集められ、そこから勢いよく遠くへと飛ばされるわけです。
(from McKinney & Jackson, 1989)

じつは、日本ではすっかり有名な淡水性のオオマリコケムシにも・・・
ほら!火山のカルデラのような部分がチムニーです!

コケムシの群体の中では、個虫が互いに協力しあっているわけです。
群体って、本当に面白いですね~。

自然界に潜む様々なフラクタル図形。
海岸線や葉っぱがその例として有名ですが、コケムシも負けてはいません。
起立性の樹状群体はもちろんのこと、
ハネコケムシやアカリコケムシといった被覆性の群体も、なかなかいい感じですよ。