2015年3月6日金曜日

あえてコケムシ、あえて分類学

東北マリンサイエンス拠点形成事業の中で、
東大大気海洋研究所が中心となっているプロジェクト「プロジェグランメーユ」。
このプロジェクトで刊行しているニュースレター「メーユ通信」第2号において、
コケムシのことが紹介されています。
今回はサケ特集とのことで、表紙は迫力ある定置網漁の風景です。

表紙をめくると・・・
いきなり「生き物図鑑」というコーナーに コケムシ が登場します。

このニュースレターはプロジェクトの関係もあり漁業に関係した話題が多いのですが・・・
突然、聞き慣れない生き物の名前やら分類学やら多様性などと連呼してすみません。

コケムシは食べられませんし、サケやアワビに比べて漁業的価値が見えづらく、
第一印象は「何故コケムシ??」と思われるかもしれません。
しかし、じつはコケムシを含めた付着生物の生態を明らかにすることは、
三陸の養殖漁業の復興や発展を考える上で無視できない存在なのです。

養殖生物や漁具への付着被害はもちろんのこと、養殖生物と水中の餌を巡る競合相手としても、
彼らの生き様や動向を知ることが大切になってきます。
こんなマイナーな生き物たちですが、人知れず私たちの生活に関わっているのです。
そんな付着生物の分類や多様性、生態を明らかにすることを、
もっと多くの人に身近なこととして感じてもらえればと思っています。