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関東ではいよいよ桜の見頃も過ぎようとしていますが、
先日はウィーンから来日していたコケムシ研究者仲間と “お花見” に行ってきました。
お花見に選んだ場所はここです。
T大学構内の池の畔にある、立派な桜の木。
満開です!
毎年この季節になると、僕は必ずこの場所を訪れます。
美しい桜と “魅力的な” 池のコラボが絶妙なのです。
では早速、用意したコンテナとバケツを開けて宴の用意を…
(ガサゴソ・・・)
さて、舞台は整いました。
満開の桜の下で、池に向かって宴の開始です!
(ヨイショ・・・)
① 水中から木の枝を拾い上げます
(ムム・・・)
② 枝の表面をじーっと慎重に観察します
(ムムム・・・っ!!)
③ 何かいます!
この枝を水中に入れてみると・・・
④ 綺麗なお花がたくさん咲いています!
これはヒナコケムシという淡水コケムシの群体で、お花に見えるのは触手冠です。
東アジア以外では北米から1例しか報告のない、世界中の淡水コケムシ学者が憧れる幻のコケムシなのです!
(世界中の淡水コケムシ学者と言っても、私を含めて片手で数えられてしまいますが・・・)
他の淡水コケムシが夏に群体をつくるのに対して、本種は冬に群体をつくる点でも非常に変わっています。
そんな珍しい生態をもつヒナコケムシですが、じつは日本では広く分布している普通種です。
とはいえ、群体は透明でなかなか見つけるのが難しいんですけどね…。
桜の花が散ると間もなく、ヒナコケムシの群体も休芽を残して消えてしまいます。
まさに、日本の春を堪能した “コケムシ学者のお花見” でした。
18 Apr. 2014