[前サイトからの移設記事]
8月初旬、大槌湾の隣の船越湾の定置網に、珍しい生物が訪れました。
まるでエイリアンです。
あまりの珍しさに、しばらく撮影会がつづきました。
もちろん、宇宙からやってきたわけではありません。
南の海から黒潮に乗ってやってきました。
じつはこの生物、イセエビ下目(イセエビやウチワエビの仲間)の幼生なのです。
顔を見ると、たしかにエビっぽいですね~。
正面から見ると、髭を生やしたおじいさんのようにも・・・
その理由は、この幼生がクラゲ(ジェリーフィッシュ)に乗って移動するから。
じつは、フィロゾーマ幼生はクラゲに乗り、クラゲを食べながら移動するのです。
三陸の海にイセエビやウチワエビはいないので、おそらくクラゲに乗ったまま流されて来たのだと思われます。
せっかくなので、水槽で飼育してみることにしました。
ポンプの吸込口やエアレーションの泡から守る仕組みを簡易的につくりました!
流れに乗ってくるくる回りながら泳ぐ姿がかわいいです。
しかし、ここで最大の問題が…
餌がありません。
クラゲが採れれば良かったのですが、なかなかクラゲが見つからなかったのです。
仕方なく、アサリの身やイガイの生殖腺を与えることにしました。
でも…
残念ながら、お亡くなりになってしまいました(;_;)
この死を無駄にしないとの思いで、綺麗な標本を作製しました。
これからは、珍しい訪問者の貴重な記録として、学術的に生き続けていくことでしょう。
そして、標本というかたちですが、普及活動などで人々を楽しませてくれれば…(>_<。)
27 Aug. 2014