[前サイトからの移設記事]
気がつくと日常はコケムシに溢れている…そんな身近なコケムシたちを紹介するこのコーナー。
これまでは、根コンブに付着したコケムシや水族館で出会えるコケムシを紹介してきました。
『そこにいる・・・!身の回りのコケムシたち ~その1~』
『そこにいる・・・!身の回りのコケムシたち ~その2~』
さて、今回コケムシが付着しているものは… スイーツです!
はい。 スイーツです。
コケムシとスイーツの接点なんてどう考えても皆無のように思えますよね?
でも、じつは最近のスイーツはコケムシをアクセントにしているのです…!
私の職場がある岩手県の名物(?)に、アワビチョコというものがあります。
アワビの形をしたケースに、小さなチョコレートが沢山入っています。
中身は普通のチョコレートです。 甘いです。 スイーツです。
このアワビチョコのパッケージには、実際のアワビの写真が使用されています。
ちゃんと裏側には軟体部も写っており、なかなか生々しいデザインです。
さて…私たちコケムシ学者は、貝殻を見ると反射的に表面の付着物を見てしまいます。
初めてこのアワビチョコを見たときも、いつものように付着物を探してしまいました。
すると・・・
なんということでしょう!
なにやら沢山の付着物が付いている (写っている) ではないですか!
もうちょい拡大してみると、こんな感じ。
もう、おわかりですね?
そうです。これはまさに、コケムシの群体です!
さらに顕微鏡で観察してみたところ…
おぉっ!この小さな円の一つ一つはコチュゥ… ではなくて、印刷のドットです。
ちょっと拡大し過ぎました。。
とはいえ、コケムシであることに間違いはありません。
群体表面の質感や虫室の形態、さらにアワビに付着している点などから考えると、
Calyptotheca属でしょうかね~。
それにしても、アワビの殻なんていっぱいあっただろうに、どうしてこの殻の写真を使ったのでしょう?
もしかしたら、密かなコケムシファンが商品開発に携わっておられるのかもしれません。
視覚と味覚で二度楽しめる上に、生き物の勉強にもなる…
いいですね~コケムシチョコ! (←ちがう)
9 Sep. 2014